概説書・教科書
○田中・深田他『法思想史』有斐閣Sシリーズ、有斐閣……簡便な教科書。とりあえず持っておくならこれ。大屋・法思想史(2年配当)でも参考書指定しています。
△加藤新平『法思想史 新版』勁草書房、1999……本格的な教科書だが、大陸中心だし現代は弱いので参考まで。
○中山竜一『二十世紀の法思想』岩波テキストブックス、岩波書店、2000……タイトルの通り現代中心。正義論より法概念論の内容が中心なので、講義のテーマとは少しずれる。
○山本 他編『哲学 原典資料集』東京大学出版会、1993……原典の抜粋と解説で構成された資料集。哲学史の流れをつかむのに良い。
『岩波 哲学・思想辞典』岩波書店、1998……この分野で調べ物をするのに一番良い。買うと高い(定価14700円)。それだけの価値はあると思うが、とりあえずは図書館で。
リベラリズムの伝統
△ジョン・グレイ『自由主義論』山本貴之(訳)、ミネルヴァ書房、2001 ← John Gray, Liberalisms: Essays in Political Philosophy, Routledge, 1989.
○アイザイア・バーリン『自由論』小川・小池・福田・生松(訳)、みすず書房、1971(2000新装) ← Isaiah Berlin, Four Essays on Liberty, Oxford University Press, 1969.……「二つの自由概念」を含む。
◎塚田富治『政治家の誕生: 近代イギリスをつくった人々』講談社現代新書、講談社、1994。……イングランドの政治状況などについて。
☆ジョン・ロック『市民政府論』鵜飼信成(訳)、岩波文庫、岩波書店、1968。
△愛敬浩二『近代立憲主義思想の原像—ジョン・ロック政治思想と現代憲法学』法律文化社、2003。……本学の愛敬先生による本格的な研究書。
☆J.S.ミル『自由論』山岡洋一(訳)、日経BPクラシックス、日経BP、2011。
☆アダム・スミス『道徳感情論』水田洋(訳)、筑摩書房。
☆アダム・スミス『諸国民の富』大内・松川(訳)、岩波文庫、岩波書店。
リベラリズムの正義論
☆ジョン・ロールズ『正義論』川本・福間・神島(訳)、紀伊國屋書店、2010。 ← John Rawls, A Theory of Justice, Revised Ed., Harvard University Press, 1999.……現代正義論の古典。1979年の矢島鈞次訳は無茶苦茶評判が悪いので、読むならこちらか、がんばって原書で。原書初版と二版では内容がかなり違うので注意。
☆ジョン・ロールズ『政治的リベラリズム』← John Rawls, Political Liberalism, Columbia University Press, 1995.
○クカサス&ペティット『ロールズ—『正義論』とその批判者たち』嶋津・山田(訳)、勁草書房、1996。……評判の良い概説書。『正義論』の受けた批判とその後のロールズについてもまとめてある。
△渡辺幹雄『ロールズ正義論の行方—その全体系の批判的考察【新装版】』春秋社、2012。
△渡辺幹雄『ロールズ正義論再説—その問題と変遷の各論的考察【新装版】』春秋社、2012。
◎川本隆史『ロールズ 正義の原理』現代思想の冒険者たち23、講談社、講談社、1997。
☆ロナルド・ドゥオーキン『原理の問題』森村・鳥澤(訳)、岩波書店、2012。←Ronald Dworkin, A Matter of Principle, Harvard University Press, 1985.
☆ロナルド・ドゥウォーキン『平等とは何か』小林公(訳)、木鐸社、2002。……ドゥウォーキン平等論の中心論文「平等とは何か」を含む。
☆アマルティア・セン『合理的な愚か者—経済学=倫理学的探究』大庭・川本(訳)、勁草書房、1989。← Amartya Sen, Choice, Welfare and Measurement, Harvard University Press, 1997. ……センを本格的に読むならこれから。
☆アマルティア・セン『不平等の再検討—潜在能力と自由』池本・野上・佐藤(訳)、岩波書店、1999。← Amartya Sen, Inequality Reexamined, Harvard University Press, 1995.
◎アマルティア・セン『貧困の克服—アジア発展の鍵は何か』大石りら(訳)、集英社新書、集英社、2002。……講演4本を収録したもの。安価なので入門に良い。
○川本隆史『現代倫理学の冒険—社会理論のネットワーキングヘ』創文社、1995。……功利主義からフェミニズムなど現代の潮流までを要領よくまとめている。見取図を頭の中に作るには良い本。
○鈴村興太郎・後藤玲子『アマルティア・セン—経済学と倫理学』実教出版、2001。……経済学サイドからの概説書。
△後藤玲子『正義の経済哲学—ロールズとセン』東洋経済新報社、2002。……センとロールズについて、経済学の道具立てで比較して論じている。
△若松良樹『センの正義論—効用と権利の間で』勁草書房、2003。
◎大屋雄裕『自由とは何か:監視社会と「個人」の消滅』ちくま新書、筑摩書房、2007。
◎大屋雄裕『自由か、さもなくば幸福か?:21世紀の〈あり得べき社会〉を問う』筑摩選書、筑摩書房、2014。
△井上達夫『共生の作法—会話としての正義』創文社、1986。……相対主義批判。
△井上達夫『他者への自由—公共性の哲学としてのリベラリズム』創文社、1999。……現代日本リベラリズムの巨頭、というか私の師匠の本。
共同体と文化
○ロバート・ノージック『アナーキー・国家・ユートピア—国家の正当性とその限界』嶋津格(訳)、木鐸社、1995。← Robert Nozick, Anarchy, State and Utopia, Perseus Books, 1977.……ロールズ批判の代表作。本人は「リバタリアニズム」呼ばわりされるのを嫌がっていたらしい、とも。
◎森村進『自由はどこまで可能か—リバタリアニズム入門』講談社現代新書、講談社、2001。……リバタリアニズムに関心があればここから読み始めると良い。
◎笠井潔『国家民営化論—「完全自由社会」をめざすアナルコ・キャピタリズム』知恵の森文庫、光文社、2000。……森村先生をして分類不能と言わしめた独特の根拠に基づくアナルコ・キャピタリズム。著者の以前の評論(eg. 『テロルの現象学』ちくま学芸文庫、筑摩書房)を理解していないとスジが分からないかも。
○森村進(編)『リバタリアニズム読本』勁草書房、2005。……リバタリアニズムの教科書。大項目による解説と主要著作紹介からなる。
△マリー・ロスバード『自由の倫理学—リバタリアニズムの理論体系』森村進・森村たまき・鳥澤円(訳)、勁草書房、2003。← Murray N. Rothbard, The Ethics of Liberty, with a new introduction by Hans-Hermann Hoppe, New York University Press, 2002.
△David Freeman, The Machinery of Freedom, Open Court, 1989.
○竹内靖雄『国家と神の資本論』講談社、1995。
△ランディ・E・バーネット『自由の構造—正義・法の支配』嶋津格・森村進(監訳)、木鐸社、1998。← Randy E. Barnett, The Structure of Liberty: Justice and the Rule of Law, Clarendon Press, 1998.
☆フリードリヒ・フォン・ハイエク『隷属への道』西山千明(訳)、春秋社、1992。← Friedrich A. von Hayek, The Road to Serfdom, 50th Anniversary Ed. with a new introduction by Milton Friedman, University of Chicago Press, 1994 (originally published in c.1944).
☆ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』熊谷尚夫他(訳)、マグロウヒル好学社、1962。← Milton Friedman, Capitalism and Freedom, with the assistance of Rose D. Friedman, 40th anniversary ed. with a new preface by the author, University of Chicago Press, 2002 (originally published in 1962).
△Jan Narveson, The Libertarian Idea, Temple University Press, 1988.
△デイヴィッド・ゴティエ『合意による道徳』小林公(訳)、木鐸社、1999。← David P. Gauthier, Morals by Agreement, Clarendon Press, 1986.
△橋本努『自由の論法—ポパー・ミーゼス・ハイエク』現代自由学芸叢書、創文社、1994。
アラスデア・マッキンタイア『美徳なき時代』
マイケル・サンデル
チャールズ・テイラー
ウィル・キムリッカ