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試験問題

以下の3問から1問を選択し、解答しなさい。
解答の冒頭に、選択した問題の番号を明記すること。どの問題に対する解答かわからない答案については、採点しない。

(1)情報化社会の到来によって国家の統治可能性に問題が生じたと考えられる例を一つ挙げ、その意義について論じなさい。
(2)知的財産権制度における著作権制度の特殊性について説明し、それにより生じ得る問題について論じなさい。
(3)以下の見解について論じなさい。

そもそも有体物は、誰か特定の人しか利用できない。それゆえ正当な支配者による有体物の利用は、他の人々による利用と両立しない。ここに自己所有権テーゼから財産権を認めるべき理由がある。しかし著作物や発明のような無体の財の場合は、創造者以外の人がそれを利用しても、創造者による利用の自由を妨げるわけではない。つまり無体の財には自然の排他性がないのである。自己所有権テーゼだけからでは無体財産権は正当化できない。かえって無体財産権は、社会一般の人々がその財を利用する自由を、創造者の自由と両立するにもかかわらず、人工的に制限していることになる。(森村進『自由はどこまで可能か:リバタリアニズム入門』講談社 2001)

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成績評価に関するデータ

評価
人数 (割合)
A+
5 (10.6%)
A
13 (27.7%)
B
20 (42.6%)
C
9 (19.1%)
D
5

※ 割合は単位取得者に対するものを示す。