世界の食糧事情
―かつての農業大国である中国とロシアの現状―
1999年9月8日 環境・ソフトパワー班 浅田真理子
1)問題意識
最近よく食糧問題という言葉を耳にするようになった。食糧というと、人間にはなくてはならなく、また他の何物でも代替できない代物である。これだけグルメといわれる毎日をおくっている私達だが、日本は代表的といっていい食糧輸入国である。そこで冷戦時代は敵対していた東西の代表的なアメリカと中国、ロシアが今では中・露両国共にアメリカに依存しきっているという現実に興味をもち、その3国を調べてみたいとおもった。
2)既存の理論
ロバート・マルサスの「人口論」
レスター・R・ブラウン「誰が中国を養うのか?」
3)仮説
@仮説……アメリカが今、穀物輸出を制限した時、中国とロシアは飢饉に陥る。
A仮説の説明…… #今ではアメリカの穀物輸出量は世界の半分以上
#中国をはじめとする世界の人口増加による需要の増加
#穀物の収穫は気候次第
#土地生産性と漁場の限界
4)検証
<中国>
@農業生産請負制による農業経営システムの変化
A食糧総生産の成長→表28
B人口増加→表12、表31
C工業化による耕地面積の減少→表16、表30
D経済成長にともなう食生活の質的向上→表17、表18、表20、表25、表32
E都市部と農村部の地域格差
Fハイブリッド種、化学肥料の使用→表27
<ロシア>
@経済改革下での農業経営
A穀物輸入から加工品輸入へ
B1998年の旱魃による不作→表2、表3、表4、表5
C 1998年のインフレ→表1
D 畜産の総生産額も減少→表6、表7
E 加工企業による農業企業の生産低下→表8
F ロシア農業の経営類型生産構造:個人副業経営の高い比率
G 実際の穀物生産高→表9
H 牛肉<豚肉、鶏肉→表10
I EUの対ロシア輸出→表11
5)結論
<中国>
莫大な人口と、食生活の質的向上、化学に頼った農業により、飢饉になる可能性は大きい。
<ロシア>
現時点での食生活の質、個人副業経営による自給、EUからの輸入により一時的な制限であれば飢饉になる可能性は少ない。
<両国を比べて>
中国・露とも今では米に食糧の大部分を頼っていて、米からの輸入が止まればパニックに陥ることは間違いない。しかしながら、露の場合距離的にも、また東欧の存在という面からも近い存在であるEUがあるため、中国の方が影響は大きく受けると考えた。
<世界の食糧事情>
・穀物の輸入競争……輸入競争による価格調整、輸出制限etc
・石油を原料としている「農薬」「化学肥料」「機械化」の限界……石油は有限、技術の限界
・温暖化による食料生産の増加……w.w.U後の食料増産は温暖化による気温が生産にあっていたため=これからは反対に悪影響となりうる
・世界の穀物在庫率→表33……世界の穀物在庫率は過去最悪、いつ食糧危機になってもおかしくない現状
6)感想・反省・今後の課題
今現在、アメリカにとっても中国は工業の下請け部門、労働力としてなくてはならない存在であり、また世界秩序を考慮しても、アメリカがこの2国に穀物輸出をとめるということは考えにくい。今後は、アメリカ側からみた食糧問題、特にアグリビジネスに関して調べていきたい。