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2004年7月15日

憲法総合 第14回目

 

 今回は在宅投票制度廃止事件について検討します。教科書に載っている事件ですので、教科書の該当部分を読み、教室に教科書を持参してきてください。

 

 

在宅投票制度廃止事件

 

T 事実の概要

1 事実関係

2 下級審の判断

(1)一審判決

(2)原判決

 

U 判旨

 

V 問題

1 確認

(1)本件第一審判決は、どのような行為によって選挙権を侵害するとされているか。控訴審判決とどのように異なるか。本判決はその点について、どのように解していると考えられるか。

(2)立法不作為の違憲性について、司法審査は及ぶか。及ぶとする場合、それはいかなる場合か。

(3)立法行為は国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」にあたるか。

(4)国家賠償法1条1項の国または公共団体の損害賠償責任については、代位責任説と自己責任説があるが、それぞれどのような見解か。

(5)(4)でいう代位責任説に立った場合、国会議員は憲法51条により免責特権を有するが、なお国会議員の立法行為は国家賠償法1条1項の適用対象となるといえるか。 

(6)本判決によれば、国会議員の立法行為が国家賠償法1条1条の適用上違法となるには、どのような要件が必要か。

(7)本判決は、立法に関して国会議員が個別の国民に対して負う法的義務についてどのような見解を示しているか。

(8)本判決は、立法内容の違憲性と立法行為の国家賠償法上の違法性との関係について、どのようにとらえているか。

(9)本判決によれば、国会議員が立法に関して法的義務に違反したというのはどのような場合か。

(10)本判決は、在宅投票制度の設置と憲法47条との関係についてどのように述べているか。

2 応用

(1)以下のような事例は、本判決のいう立法行為が国家賠償法上違法となる例外的な場合に該当するか。

 @零細養蚕業者の保護を目的にした生糸の輸入制限法の法改正により、高価な国内産生糸を使用せざると得なくなったために著しい損害を被ったとして訴えた場合。

 A民法733条の再婚禁止期間の廃止について度重なる請願や個別の国会議員、官庁への陳情活動をしたにもかかわらず、廃止立法がなされないことにより、精神的損害を受けたとして訴えた場合。

 B喫煙の有害性を理由に、たばこ広告を全面的に禁止する立法が制定されたために、たばこ会社が著しい売上げ減少に見舞われたとして訴えた場合。

 C最高裁が衆議院の議員定数不均衡訴訟でたび重ねて人口格差は2倍を超えてはならないという判決を繰り返している中で、国家賠償が求められた場合。

D国会が公職選挙法を改正し、間接選挙制を導入したために、結果として有権者の投票価値の不平等が拡大したとして訴えた場合。

Eハンセン病訴訟第1審判決は、「憲法の一義的な文言に違反している」ということの意味についてどのように解しているか。

(2)本判決は、立法内容の違憲性については憲法判断を回避しているが、仮に在宅投票制度の設置を憲法上義務づけられるという議論をする場合には、原告のあげる以下の憲法条文との関係ではどのように行われうるか。 

@憲法13条

A憲法15条1項

B憲法15条3項

C憲法14条1項  

D憲法44条

E憲法47条

3 発展

(1)教科書207頁は、本判決に関連して、「最高裁判決の方向は制度改革訴訟的役割に消極に働くと考えられる」としているが、この点についてどのように考えるか。

(2)本判決は、立法行為は本質的に政治的なものであり、性質上法的規制の対象二なじまないとするが、このような見解には憲法上どのような問題が存在するか。